偏頭痛持ちの人が間違った方法でダイエットをすると偏頭痛を悪化させてしまうことがあります。
今回は偏頭痛持ちの人がやってはいけないダイエットと正しいダイエットについてお伝えします。


この記事のポイント
■激しい運動のあとは偏頭痛になりやすい
■バランスの取れた食事と軽い運動が偏頭痛持ちの正しいダイエット
無理なダイエットは偏頭痛を悪化させる
偏頭痛持ちの人がやってはいけないダイエットは「置き換えダイエット」や「断食ダイエット」、「糖質制限ダイエット」です。
これらのダイエットはいろいろ話題になっていて人気ですよね。
でも、これらのダイエット方法は極端な食事制限をするので、糖質不足や栄養バランスが崩れがちになってしまいます。
その結果、偏頭痛の原因となる低血糖や貧血、ホルモンバランスの乱れが生じて、偏頭痛が悪化します。
もともと偏頭痛は脳の血管が拡張して、まわりの神経を圧迫することで痛みが生じます。つまり、脳の血管を拡張させると偏頭痛が起こりやすくなります。
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ダイエットで起きる偏頭痛は食事制限による低血糖、貧血、ホルモンバランスの乱れが原因
無理なダイエットで起きる低血糖、貧血、ホルモンバランスの乱れは、いずれも脳の血管を拡張させます。
例えば、低血糖になると脳に栄養(グルコース)が行き渡らなくなるので、脳に栄養を運ぶように血管が大急ぎでグッと拡げます。
貧血の場合は、鉄分が不足して酸素を運ぶヘモグロビンがうまく作れずに脳に十分な酸素を届けられなくなります。
脳に酸素が運ばれないと脳にとっては緊急事態なので、酸素をより多く運べるように血管が拡張します。
また、ホルモンバランスが乱れると血管の収縮と拡張を調整している自律神経まで乱れるので、血管のコントロールが不十分になって偏頭痛が起きやすくなります。
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ダイエット目的の激しい運動も偏頭痛が起きる原因になる
適度な運動は血行がスムーズになるので、偏頭痛の予防に効果があります。ただし、激しい運動は控えたほうがいいです。
長時間(3〜4時間)もしくは激しい運動や筋トレ(無酸素運動)をすると血流が活発になって血管が拡張し、運動後に偏頭痛が起きやすくなります。
また、運動中の水分不足と低血糖も気をつけたいです。
水分が不足すると血液がドロドロ状態になるので、貧血のときと同じくうまく脳に酸素が運ばれなくなります。
水分不足のときも酸素を脳に多く運ぶために血管の拡張が起きます。
低血糖は先ほど説明したとおりですが、運動中はとくに糖分(グルコース)を消費するので低血糖になりやすい状況といえます。

偏頭痛持ちの人のための正しいダイエット方法(食事編)
ダイエット中に頻繁に偏頭痛が起きる場合は、食事の仕方や食べるものを変えると効果的です。
食事はバランスよく、玄米&和食がオススメ
主食は玄米や全粒粉などの精製されていない穀物
玄米などの生成されていない穀物は血糖値をゆるやかに上げる(低GI値の食品)ので太りにくいです。
さらに、玄米は偏頭痛を予防してくれるビタミンB2・B6、マグネシウムが多く含まれています。
ただし、玄米も食べ過ぎれば太ってしまうので要注意。
極端な糖質制限はよくありませんが、自分の体と相談しながら糖質を少し減らすのはダイエットに効果的です。
食事は和食がオススメ
和食はヘルシーで栄養バランスも優れているので、偏頭痛のダイエット時にもオススメです。
でも、和食を毎日作るのって大変ですよね。
そんなときは材料を切って煮るだけ、しかも手軽に栄養が取れる「鍋」にしましょう。
締めのぞうすいやうどんを少なくすればカロリーも抑えられます。
偏頭痛の予防になる栄養を取る
ビタミンB2・B6、マグネシウムは偏頭痛予防に効果があると医学的な調査で分かっています。
ダイエット時はとくに栄養不足になりやすいので、頭痛予防になる栄養素は忘れずに取るようにしましょう。
【マグネシウムが多く含まれる食品】
海藻、大豆製品、ナッツ類、干し魚、あさり、ブロッコリー、枝豆、レーズン、ほうれん草、バナナ、ごま、玄米
【ビタミンB2が多く含まれる食品】
肉、魚、乳製品、緑黄色野菜、卵、魚卵、納豆、のり、玄米
【ビタミンB6が多く含まれる食品】
レバー、魚、鶏肉、アボカド、かぼちゃ、ピーナッツ、バナナ、玄米
これらの栄養素を取り続けるのが難しい場合は、サプリメントで補給するのも効果的です。

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赤身の肉やレバーで貧血と偏頭痛を予防する
貧血状態だと偏頭痛になりやすいほかに、脂肪の燃焼効率も悪くなります。鉄分が多く含まれている食品を取るように心がけましょう。
【鉄分が多く含まれている食品】
レバー、あさり、ひじき、ほうれん草、小松菜、枝豆、赤身の肉、ごま、レーズン、プルーン、のり
1回に食べる量を減らして回数を増やす
ダイエット時に空腹時間が長いと低血糖になりやすくなります。1回の食べる量を減らして、回数を増やすようにしましょう。
実際、アメリカでは偏頭痛の予防で低血糖を防ぐために1日6食が勧められています。朝昼晩の3食の量を減らして、そのあいだに軽めの軽食をはさむイメージですね。
仕事をしていて、何食も食べられないという人はグリーンスムージーや酵素ドリンクなどを利用するのも1つの手です。
毎日1.5リットルの水を飲むだけで偏頭痛とダイエットに効果がある
水分不足を起こさないように、水を多く飲むように心がけましょう。目安としては1日1〜1.5リットルが目標です。
オランダで行われた実験では毎日平均して1.5リットル以上の水を飲み続けたら偏頭痛に改善が見られたという結果があります。
一度に多く摂取しても体に取り込まれないので、1回100〜200mlを目安に飲むと効果的。
水を飲むと偏頭痛の予防以外にも、むくみや便秘の解消、食欲が抑えられるなどダイエットにも嬉しい効果があります。
そんなに水をたくさん飲めないという方は水に好きな果物を入れたフレーバーウォーターを試してみてください。
フレーバーウォーターなら果物から溶け出した自然な香りと甘みで、楽しみながら水を飲むことができます。
あわせて読みたいどんな効果があるの?フレーバーウォーターの作り方とフルーツ別の効果
運動をする場合は、こまめに補給して飲む量を増やすようにしましょう。
水分補給をするといってもお茶やコーヒーは利尿作用があるので、飲みすぎると体内に取り入れる水分の量よりも排泄する量のほうが多くなってしまって逆効果になります。
偏頭痛持ちの人のための正しいダイエット方法(運動編)
正しい運動の仕方を知っていれば、偏頭痛を起こさずにダイエットができます。
準備運動を念入りにして体を少しずつ温めていく
急に運動を始めると、一気に血流がよくなって偏頭痛が起きやすくなります。
偏頭痛持ちの人は、本格的な運動を始める前に長めの準備運動とウォーミングアップをするようにしましょう。
少しずつ体を温めてから行うと、急な血管の拡張を和らげて偏頭痛を防げます。
ランニングや水泳など自分のペースでゆったりできる運動を選ぶ
偏頭痛持ちの人がダイエット目的で運動をする場合、無理なく続けられるランニングや水泳がオススメです。
ランニングも水泳も息苦しくなるほど一生懸命やると、後から偏頭痛になる可能性があるので軽くゆるーくやるのがポイントです。
筋トレも高い負荷のものをすると血管が拡張するので、軽い負荷のもので回数を多くするほうが偏頭痛を避けることができます。
水分不足や低血糖、直射日光などにも気をつける
水分不足と低血糖は偏頭痛につながるので、こまめに補給するようにしましょう。
それと直射日光の下で運動をする場合、光の刺激が偏頭痛を引き起こすことがあるのでサングラスをするように心がけてください。
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偏頭痛持ちでも正しいダイエット方法を知っていれば安心
太りすぎは偏頭痛になるという研究結果もあることから、適正体重を維持するのは偏頭痛予防の観点からも効果があります。
ただし、間違ったダイエットは偏頭痛を悪化させてしまいます。
ダイエットで偏頭痛になるポイントは紹介したとおり決まっているので、そのポイントをうまく避けながら正しいダイエットを続けたいですね。


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