なにげなく普段の生活でしていることが、偏頭痛の原因になっていることも。
原因をうまく避ければ、偏頭痛を予防することができます。普段の生活のなかで、やっていることがないかチェックしてみてください。

この記事のポイント
■偏頭痛の原因はストレス、食べ物、身の回りの環境など
■原因を知っていれば日常生活で避けることができる
偏頭痛を起こす原因
偏頭痛は脳の血管がグッと拡がって、まわりの三叉(さんさ)神経が圧迫されて起きます。
偏頭痛のときにズキンズキンと脈打つように痛いのは、血管が関係しているからなんですね。
血管を拡げるようなことは身の回りにいろいろあって、ときには偏頭痛持ちの人でも知らないうちにやってしまっていることがあります。
心理的なストレスが偏頭痛の原因になっている場合がある
ストレスと偏頭痛はとても深い関係があります。
偏頭痛はストレスがかかっているときに起きそうですが、じつはそうではありません。
人はストレスを受けているときは脳の血管はギュッと縮まっています。
それがストレスから開放されてリラックスすると、脳の血管が一気に広がって偏頭痛が起きます。
ストレスとリラックスの落差が大きいと痛みが出やすくなります。
休日にストレスから解放されて偏頭痛になることもある
休日に偏頭痛がよく起きるという人も多いはず。
これは、平日はストレスを抱えながらギューッと集中して仕事をして、休日にホッとリラックスするからです。
自分なりのリラックス方法でストレスを溜めずに、ストレスとリラックスの落差を小さくする工夫が必要です。

偏頭痛の原因になる食べ物にも注意が必要
食品のなかには血管を拡げる成分が含まれていることがあります。
ただし、紹介する食品を食べたから必ず偏頭痛になるというわけではなくて、食べた状況やその人の体質などによって左右されます。
いちばん偏頭痛を引き起こしやすいのはアルコール
食品のなかで最も偏頭痛を引き起こしやすいのはアルコールとされています。
アルコールは血流をよくするので、脳の血管も拡張させます。
ウォッカや焼酎、ウィスキーといった蒸留酒よりも、赤ワインや日本酒、ビールなどの醸造酒のほうが偏頭痛になりやすいといわれています。
チラミンとポリフェノールも偏頭痛の原因の代表
チラミンとポリフェノールは血管を拡張させる作用があります。この2つの成分が多く含まれる食品は以下の通りです。
・チーズ(チラミン)
・柑橘類(チラミン)
・ピーナッツバター(チラミン)
・チョコレートとココア(チラミン、ポリフェノール)
・赤ワイン(ポリフェノール)
インスタント食品やスナック菓子には必ず使われているグルタミン酸ナトリウム
いわゆる「うまみ調味料」の成分がグルタミン酸ナトリウムです。
中華料理に多く使われるほかに、インスタント食品やスナック菓子にも使用されています。
食品の裏側に貼ってあるラベルに「調味料(アミノ酸)」と書かれていたら、それはグルタミン酸ナトリウムのことです。
ソーセージに入っている亜硝酸ナトリウム
亜硝酸ナトリウムも血管を拡張させる働きがあります。
この亜硝酸ナトリウムは食品の防腐剤として、市販のソーセージやベーコンに使用されています。
ゼロカロリーの食品に入っている人工甘味料アステルパーム
人工甘味料であるアステルパームも血管を拡張させる働きがあります。
アステルパームは清涼飲料水やカロリーオフの食品などによく利用されています。


身体的な原因で偏頭痛が起きる場合もある
貧血(鉄分不足)と水分不足
鉄分は血液中で酸素を運ぶ役割をするヘモグロビンの主な材料になります。
なので、鉄分が不足するとヘモグロビンがうまく作られずに脳に酸素を十分に届けられなくなります。
また、水分が不足すると血液がドロドロ状態になるので、こちらも脳に酸素がうまく運ばれなくなります。
酸素不足になった血管はたくさんの酸素を取り入れるためにグッと拡がるので、偏頭痛を引き起こす場合があります。
空腹による低血糖
脳の血管は血糖値に敏感に反応します。
血糖値が減少して低血糖になると、脳に栄養(グルコース)が行き渡らなくなるので、おおいそぎで血管を拡げます。
ダイエット目的で朝食を抜いたり、炭水化物を抜く場合がありますが、グルコースのもとである炭水化物が不足するので偏頭痛持ちの人は避けたほうがいいでしょう。
低血糖を防ぐために、飴やキャンディなど短時間で血糖値を上げられるものを常備しておくのもおすすめです。
ちなみに欧米では血糖値が一定になるように、偏頭痛持ちの人に1回の食事の量を減らして、そのぶん回数を増やす1日6食(朝、10時、昼、3時、夜、就寝前)を勧めています。
体温の変化
体が冷えている状態で、急に温まると脳の血管が拡がります。
例えば、夏に冷房が効いた部屋から外に出る、寒い時期に熱い風呂に入るといった行動は、体が急に温まります。
夏場は冷房対策、冬場は冷え対策をすると急激な体温の変化を防ぐことができます。
激しい運動
適度な運動は血行をスムーズにするので偏頭痛の予防に効果があります。
でも、長時間(3〜4時間)もしくは激しい運動や筋トレ(無酸素運動)は終わったあとに偏頭痛が起きる場合があります。
これは運動を行うと血圧があがって血流が活発になり、運動後も血管の拡張が続くためです。
また、運動は水分不足と低血糖を招きやすいので偏頭痛になる確率はさらにあがります。
激しい運動や筋トレも2〜3ヵ月続けると体が慣れて偏頭痛は起きにくくなります。
また、ウォーミングアップをしっかりして体を少しずつ温めていくのも効果的です。


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女性ホルモンの減少
エストロゲン(女性ホルモン)と偏頭痛も大きく関係があります。
エストロゲンが活発に分泌される排卵期には偏頭痛はあまり起こらないことが分かっています。
逆にエストロゲンが減少する月経前や月経中は偏頭痛が起きやすく、多くの女性を悩ましています。
また、月経によって貧血も起きやすくなるので、エストロゲンの減少に貧血も加わって、さらに偏頭痛が起きやすくなります。
大豆製品に含まれている大豆イソフラボンは、体のなかでエストロゲンと同じような働きをしてくれるので、月経前は積極的に食べたいですね。
寝不足&寝過ぎ
寝不足だと自律神経のバランスが崩れて、血管を縮めたり拡げたりするコントロールが難しくなるので、偏頭痛が起きやすくなります。
睡眠時間は個人差があります。日中に眠くならずに調子がいいと感じられる睡眠時間はどれくらいなのかを見つけてみてください。
また寝過ぎや長時間の昼寝は必要以上に脳の血管が拡がるので、休日でも朝寝坊や昼寝(目安は30分以内)はほどほどにしましょう。

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身のまわりの環境が脳のストレスになって偏頭痛の原因になることも
天候や季節
偏頭痛持ちにとって低気圧(雨の日、梅雨や台風の時期)は注意が必要です。
気圧が低いと人の体はむくみがちになります。このむくみは脳の血管にも当てはまり、血管が拡がります。
雨の日や雨が続く季節は外出の予定をあまり入れずに、部屋でゆっくり過ごすほうがいいかもしれません。
同じく飛行機やスキューバダイビングなども気圧が急激に変化するので注意が必要です。
光、音、匂いなどの強い刺激
強い刺激を受けると脳内で神経伝達物質が放出されて血管が拡張します。
日光やまぶしい光対策はサングラス、外出したときのうるさい音対策は耳栓や音を出さずにイヤフォン、匂い対策はマスクが必須です。
週末のデパ地下や化粧品売り場は人が多く、光・音・匂いが揃いやすいので近づかないほうがいいでしょう。
まとめ:原因を知っておけば偏頭痛は予防できる
身の回りにひそむ偏頭痛の原因を紹介しました。
これらの偏頭痛の原因は1つくらいなら大丈夫でも、積み重なると偏頭痛が起きます。
また、偏頭痛の原因は個人差があるので、紹介したこと全てが原因になるというよりは、このなかのいくつかが原因になります。
自分が偏頭痛になりやすい原因を見つける
偏頭痛になったときに、その前に自分がどんな行動をしていたか思い出せば、自分なりの偏頭痛の原因を見つけることができるでしょう。
原因を知っていれば、日々の生活のなかで偏頭痛の原因を避けることができます。
この機会に自分の生活習慣を見直すのもいいかもしれません。


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