偏頭痛の予防を考えるときに、薬とサプリのどちらがいいのか迷う人も多いです。今回は薬とサプリのメリットとデメリットを比べて解説します。


この記事のポイント
■予防薬もサプリも効果がある
■予防薬は価格は安いが、通院が必要で処方してもらう条件も厳しい
■予防薬の副作用は体重増加や集中力の低下
■サプリは価格は高いが、副作用がなく飲める
トリプタン系の薬は偏頭痛の予防にならない
最初に注意が必要なのは、市販されている鎮痛薬や病院で処方されるトリプタン製剤(※)は偏頭痛の予防として飲んではいけません。
※主なトリプタン製剤
・イミグラン
・ゾーミッグ
・レルパックス
・マクサルト
・アマージ
鎮痛薬やトリプタン製剤は、起きてしまった偏頭痛に対処するための薬で、偏頭痛を起こさないための薬ではないので効果はありません。
これらの薬は飲む回数が多くなると、薬の飲み過ぎで起きる薬物乱用頭痛を招くので注意してください。

あわせて読みたい薬の飲み過ぎで起きる薬物乱用頭痛とは?
偏頭痛の予防薬とサプリを比較
予防薬もサプリも偏頭痛を起こさないことを目的に作られています。
ただし、目的は同じでも違うところがいくつもあって、どっちが自分に合っているのか分かりづらいですよね。
それぞれについて詳しく説明する前に、違いをハッキリさせるために比較してみましょう。
今回は偏頭痛の代表的な予防薬であるβ(ベータ)遮断薬と、予防に効果があるマグネシウムやフィーバーフューが配合されている偏頭痛サプリを比較します。
予防薬 (β遮断薬) |
比較内容 | サプリ |
---|---|---|
あり 推奨度A |
効果 | あり 推奨度B |
34円 +通院費用 |
値段 1日あたり |
110円 前後 |
あり | 副作用 | ほぼなし |
3ヵ月 | 効果が出る までの期間 |
3ヵ月 |
必要 | 通院 | なし |
週2回以上の 偏頭痛 |
入手条件 | とくになし |
薬局 要:処方箋 |
購入場所 | ネット通販 |
この表をもとに予防薬とサプリのメリットとデメリットをまとめてみます。
偏頭痛予防薬(β遮断薬)のメリット・デメリット
【メリット】
・予防効果が認められている
(日本頭痛学会の推奨グレードA)
・値段が安い
・病院でアドバイスをもらえる
【デメリット】
・副作用がある
・通院がめんどう
・偏頭痛が週2回以上起きていないと処方されない

偏頭痛サプリのメリット・デメリット
【メリット】
・予防効果が認められている
(日本頭痛学会の推奨グレードB)
・副作用がない
・通院の必要がない
・誰でも飲める
【デメリット】
・値段が高い(1ヵ月3500円程度)

次は、メリット・デメリットの違いに触れながら、予防薬とサプリについて分かりやすく説明します。
偏頭痛の予防薬は脳の血管と神経を安定させてくれる
偏頭痛の予防薬で代表的なものにβ遮断薬があります。
β遮断薬は交感神経の興奮を抑えて、偏頭痛の原因である脳の血管と神経を安定させてくれます。
飲んだ次の日から偏頭痛が起きないといったものではなく、効果があらわれるまで3ヶ月ほどかかるようです。

飲み続けると、「偏頭痛の回数が減る」「偏頭痛が起きたときの痛みが減る」という2つの効果があります。
日本頭痛学会でもβ遮断薬を使った偏頭痛予防は推奨グレードAとして、勧められています。
予防薬の値段は通院費用と合わせて1ヵ月2000円程度
保険は適用されませんが、1日あたり34円と安くて続けやすい価格。
ただし、これに通院費用がかかります。通院は月1回が普通で、費用はだいたい1000円前後。
これに検査などをすると1000〜7000円ほどプラスされます。頻繁に検査は行わないので通院費用は1ヵ月1000円と考えておけば間違いないです。
薬代と通院費用を合わせると2000円程度ですね。

予防薬の副作用は体重の増加やむくみ、集中力の低下などがある
副作用については、以下のものが報告されています。
【β遮断薬の副作用】
・体重の増加
・むくみ
・血圧低下(めまい、ふらつき、強い疲労感)
・集中力低下
・脈がゆっくりになる

副作用は飲み始めてから2週間までが強くて、そのあとにゆるやかになるとのこと。
うちの奥さんの母親も偏頭痛持ちだったので、予防治療でβ遮断薬を飲むようにしたそうですが、副作用が強くてやめてしまったそうです。
なお、気管支喘息、狭心症、徐脈、低血圧の人は症状が悪化する場合があり、β遮断薬を服用することができません。
予防薬は偏頭痛で日常生活に支障をきたすほどの人じゃないと処方してもらえない
偏頭痛の予防薬の入手条件はなかなか厳しいです。
β遮断薬を使った予防治療の対象は、「週2日以上の発作が起きる人」もしくは「日常生活への支障が大きい人」と制限されています。
ちなみに、うちの奥さんは週1〜2日程度の偏頭痛持ち。
病院に行ったときに予防薬の処方をお願いしたところ、「もう少し悪化した場合にしましょう」と断られたそうです。

偏頭痛の予防薬はβ遮断薬のほかにもいろいろある
β遮断薬も必ず効果が出るわけではありません。
偏頭痛の改善が見られないときは、ほかの予防薬に切り替えて様子を見ることが一般的です。
【そのほかの予防薬】
・カルシウム拮抗薬
・抗てんかん薬
・抗うつ薬
- 注意事項 -
・偏頭痛の治療や薬の服用は主治医・薬剤師の支持を必ずお守りください。
・治療には環境や状況に合わせて行われますので、医師とよく相談のうえ治療を行ってください。
偏頭痛サプリには医学的に効果が証明されているマグネシウムやフィーバーフューが配合されている
偏頭痛サプリは、偏頭痛に有効な成分が含まれたサプリです。
医学的にも効果が証明されているフィーバーフューやマグネシウムが入っている場合が多いです。
日本頭痛学会でも、フィーバーフューとマグネシウムをサプリで摂ることを勧めています(推奨グレードB)。
これらは神経の興奮を抑えたり、血流をスムーズに保って偏頭痛を予防します。
値段は1日100円前後と予防薬と比べると高めになっています。
あわせて読みたい偏頭痛サプリの成分を徹底調査
偏頭痛サプリは自然由来の成分なので副作用の心配がない
使われている成分はハーブを原料とした天然素材なので、副作用の心配もなく飲むことができます。

ただし、腎臓の機能が低下している人や出血性の病気の人は症状が悪化するので控えたほうがいいようです。
あわせて読みたい偏頭痛サプリの副作用とリスクを詳しく調べてみた
買えるところは限られていて、一般の薬局では扱っていません。いちばん確実なのは公式の通販ページですね。
偏頭痛サプリを飲んで効果を実感している人も多く、うちの奥さんも偏頭痛サプリを飲んでから偏頭痛の回数と痛みが減りました。

飲み始めると、すぐに効果を感じる人もいますが、一般的には3ヶ月ほどかかります。ここらへんは予防薬と同じですね。
偏頭痛の予防薬と偏頭痛サプリを比較して分かったことのまとめ
偏頭痛を予防するのに予防薬とサプリのどちらがいいのかを比較しました。
β遮断薬は安価(通院費も含めて1ヵ月2000円前後)で続けやすいですが、副作用の心配があります。
また、重度の偏頭痛でなければ処方してもらえないことや通院のわずらわしさもあります。

偏頭痛サプリは価格は高め(1ヵ月3500円程度)ですが、副作用の心配はありませんし、定期コースにすれば決まった日に届けてくれます。
どちらも医学的な調査で効果があることが報告されています。
どちらを選ぶかは個人の生活スタイルや偏頭痛の症状次第といえそうです。
