偏頭痛は普段の生活を見直すだけで、ある程度予防することができます。
今回は偏頭痛の人が日常生活で気をつけるポイントを詳しくお伝えします。


この記事のポイント
■生活習慣を改善すれば偏頭痛は予防できる
■食生活の改善、血流をスムーズにする、ストレス対策が重要
偏頭痛持ちは薬に頼りすぎると薬物乱用頭痛になる


偏頭痛が起きたときに、薬は心強い味方になってくれます。
でも、頻繁に飲みすぎると脳が薬に慣れてしまって効かなくなり、逆に痛みに対しては脳が敏感に反応するようになってしまいます。
こうなると薬が効かないから、さらに薬を飲むという悪循環になってしまって、次第に薬を飲む量と頻度が増えます。
それが続くと、今度は薬が原因で頻繁に頭痛が起きるようになります。
痛みの場所や強さはさまざまで、朝から頭痛がするという場合もあります。
このように薬の飲み過ぎが原因の頭痛は「薬物乱用頭痛」と呼ばれていて、偏頭痛持ちの人は注意が必要です。
あわせて読みたい薬の飲み過ぎで起きる薬物乱用頭痛とは
また、薬の飲み過ぎは胃腸にも負担をかけるので、あまり頻繁に飲むべきものではありません。
偏頭痛は生活習慣を見直してセルフケアをすれば予防できる
偏頭痛は日々の生活を見直すことで予防することができます。
偏頭痛にならないカラダづくりをすることで、薬に頼らずに日々を過ごすせるようになります。


偏頭痛を予防する生活習慣
今回、紹介する方法は全て偏頭痛の予防に役立つ習慣なので、自分の生活を振り返りながら少しずつ取り入れてみてください。
食生活の改善で偏頭痛にならないカラダづくりをする
食べ物のなかには予防に効果があるので積極的に取り入れたいものと、偏頭痛を起こす可能性があるので避けたいものがあります。
偏頭痛の予防に効果がある栄養素であるマグネシウムやビタミンB2を摂る
マグネシウムとビタミンB2は、医学的にも偏頭痛の予防に効果があることが分かっています。
マグネシウムは血管を調節したり神経の興奮をしずめてくれるので、偏頭痛持ちにとってはぜひ摂りたい栄養素です。
【マグネシウムが多く含まれている食品】
大豆製品、海藻類、ナッツ類、干し魚など
また、ビタミンB2は体内のミトコンドリアに作用して細胞機能の働きを改善して、偏頭痛を予防してくれます。
【ビタミンB2が多く含まれている食品】
肉、魚、乳製品、緑黄色野菜など
日本頭痛学会でもマグネシウムとビタミンB2の効果を認めていて、積極的にとることを勧めています。
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偏頭痛を引き起こす食品は避ける
気をつけたいのは、血管を拡げる作用がある食品です。
具体的にはアルコールやチーズ、チョコレートなどがあります。
ほかにもソーセージによく使われる亜硝酸ナトリウム、インスタント食品やスナック菓子に入っているグルタミン酸ナトリウム(食品ラベルにはアミノ酸等と表示)、0カロリー食品に入っている人工甘味料アステルパームも血管を拡げる作用があるので控えたほうがいいでしょう。
これらは食べるとすぐに偏頭痛になるわけではありませんが、偏頭痛になる可能性を高めます。
過度な空腹を避ける
空腹で血糖値が下がると、脳の血管がグッと拡がって偏頭痛になることがあります。
過度な空腹を避けるためにも、1回の食事の量を減らして、そのぶん食事の回数を増やすなどの工夫をしてみましょう。
実際、アメリカでは偏頭痛の人に1日6食を勧める医師もいます。
仕事や家事で忙しくて、食事の回数を増やすのが難しい場合はグリーンスムージーなどで栄養を補給するのもいいかもしれません。
水を毎日8杯飲む
水を毎日8杯(1.5リットル)飲むと偏頭痛の予防に効果があります。
オランダで行われた実験では偏頭痛持ちの人に毎日平均して1.5リットルの水を飲んでもらったところ、偏頭痛が改善されたという結果になりました。
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サプリメントで偏頭痛予防になる栄養を補う
がんばって偏頭痛予防になる栄養を摂ろうと思っても、日々の食事で全てまかなうのは難しかったりします。
そんなときはサプリメントで上手に栄養を補いましょう。
マグネシウム、ビタミンB2、フィーバーフューは、日本頭痛学会も偏頭痛予防に効果が期待できると認めています。

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血流をスムーズにして偏頭痛を予防する
肩や首のコリが原因で、頭の血流が悪くなると偏頭痛になる可能性が高まります。
入浴やマッサージ、ストレッチ、ヨガ、頭痛体操をすると、血流をスムーズにしてくれます。
※偏頭痛が起きているときに行うと、偏頭痛が悪化するので注意してください。
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偏頭痛の原因であるストレスにうまく対処する
ストレスを感じ続けた状態でいると自律神経のバランスが悪くなり、血管の収縮と拡張のコントロールが乱れ、偏頭痛が起きやすくなります。
自分なりのストレス解消法で、うまくストレスと付き合う必要があります。
偏頭痛の人の場合は、体をゆっくり休ませてリラックスするのが適しています。
血流をスムーズにする方法で紹介した入浴やマッサージ、ストレッチはリラックス効果もあるので、取り入れれば相乗効果が期待できます。
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肥満は偏頭痛になりやすい!適正体重を保つ努力をする
肥満は偏頭痛の原因の1つといわれています。
偏頭痛の人で肥満の場合、医師からダイエットを勧められることもあります。
ただし、偏頭痛の人は激しい運動や過度なダイエットをすると、偏頭痛を起こしてしまいます。
適度な運動とバランスの取れた食事を心がけましょう。
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良質な睡眠が偏頭痛予防につながる
良質な睡眠は自律神経やホルモンバランスを整えて、偏頭痛の予防に効果があります。
アメリカのノースカロライナ大学の研究チームが行った実験では、偏頭痛持ちの人に対して良質な睡眠が取れるように指導したところ、偏頭痛の頻度と痛さが減ったという結果になりました。
毎日、同じ時間に寝て起きる、昼寝はしない、自分の理想的な睡眠時間を確保するといったことをすることが良質な睡眠につながります。
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タバコは吸わない
タバコの煙やにおいが偏頭痛を起こしたり、痛みを悪化させるケースがあるので喫煙は控えたほうがいいでしょう。
服装やアクセサリーも選び方次第で偏頭痛の予防になる
ポニーテールや三つ編みといった強く束ねる髪型は、頭皮の神経が緊張して偏頭痛が起きやすくなるようです。
また、派手な色の服や細かいチェック柄、派手なアクセサリーは目がチカチカして、偏頭痛持ちの人にとってはあまりよくありません。
服装や髪型はシンプルでナチュラルな雰囲気を心がけ、アクセサリーもさりげないものを選んだほうがいいでしょう。
外出先での光・音・匂いの強い刺激を避ける
脳は強い刺激を受けると、それがストレスになって偏頭痛を起こす場合があります。
注意したいのは光・音・匂いの3つです。
外出するときは、このような刺激を受けやすいので、光対策はサングラス、音対策はイヤフォン、匂い対策はマスクをして刺激から身を守りましょう。
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乗り物に乗るときは少し気を付けるだけで偏頭痛になりづらくなる
乗り物は偏頭痛になる要因がいくつもあります。
乗り物に乗るときは、窓際ではなく通路側の席に座るように心がけ、定期的にストレッチなどをして適度に体を動かすようにしてください。
また、乗り物に乗ると旅行気分でアルコールを飲みたくなりますが、偏頭痛が起こりやすくなるので控えましょう。
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偏頭痛が起きるときの自分のパターンを知る
いつもの生活のなかで、偏頭痛がどのように起きているかをメモすることで、偏頭痛のパターンをつかむことができます。
頭痛ダイアリーやスマホのアプリ(Android版・iOS版)で記録しておくと、あとから見返したときに、「何をすると偏頭痛が起きるか」が分かって生活習慣の改善に役立ちます。
まとめ:生活習慣を見直せば偏頭痛は予防できる
普段の生活で偏頭痛を予防する方法を紹介しました。
最初から全て取り入れるのは難しいので、少しずつ取り入れながら偏頭痛を予防して、薬に頼らないカラダづくりを続けてみてください。


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